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1 電磁波に電界はない − English − <参考 王様は裸>
2 電波に係る不明瞭なこと − English −
4 電気と磁気の力 − English −
5 電磁波は移動する磁界 − English −
2024/11/15
< 1 電気と磁気が発する力 >
表1に、電気に働く引力と斥力と、磁界に働く引力と斥力を対比して示す。
表のDのように2本の磁束の間に働く引力と斥力が、表のCのように2本の電流の間に働く引力と斥力に対応する。そして、表のBに示す磁気のN極とS極に働く引力と斥力は、表のAに示す電気の正極と負極に働く引力と斥力に対応する。
電気と磁気の挙動が酷似していることから、表のDに示すような、2本の磁束に対して働く引力と斥力は容易に推測ができる。
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なお、電気においては電気抵抗の小さな導体と電気抵抗の大きな絶縁体が存在するため、電流を漏洩することなく所望の位置に流すことができるため、Cに示す力が明瞭に顕れるが、磁気材料には電気材料の導体と絶縁体のように抵抗の比率が極端に大きい材料がなく、漏洩しやすく鮮明な経路が形成できないので、Dに示す力については 未だ 曖昧なままである。
< 2 磁界に変換される電流 >
図1と図2は、導線に通電された電流(電気エネルギ)が、永久磁石のような磁界(磁気エネルギ)に変換されて 減少することを模式的に示す図である。
図1は、電源から流入されたパルス状の電流が、リング状の磁気コアを貫通して通過する前の様子を示したものである。
図2は、通過した後の電流の様子を示したもので、当磁気コアがハードフェライトや永久磁石のように大きなヒステリシスを有していて着磁する場合である。
なお、図3は、対比用で、当磁気コアがソフトフェライトのようにヒステリシスによる損失がなく、着磁しない場合である。
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パルス電流が磁気コアを通過するとき、電流が制限されて一部が通過し、パルスの形状が変化する一方で、制限された残りの電流は、反射されて電源の方に戻る。
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図2のように、着磁する磁気コアを通過するとき、パルス状の電流が磁気コアに入るときに、パルス電流の前半は磁気コアに磁気エネルギとして蓄えられる(通過電流の一部が磁気コアを着磁して永久磁石にする)。
永久磁石となった磁気コアは、通過した電流に磁気エネルギを放出することはなく、通過する電流パルスは、波高が抑えられて、電気エネルギが減少する。
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図3のように、着磁しない磁気コアを通過するとき、パルス状の電流が磁気コアに入るときには、電気エネルギの一部が磁気コアに磁気エネルギとして蓄えられ、磁気コアを出るときには、蓄えた磁気エネルギを放出した電気エネルギをパルス電流に付加する。
結果的に、通過する電流パルスは、波の幅が伸びて波高が低くなるが、電気エネルギは維持される。
< 3 各種導体を流れる電流 >
図4から図11に、各種導線に自身が発生した磁界によって形成された電流分布を概念的に示す。
図4は、円柱状の導体(棒状の導線)に流れる電流と磁界の様子と、電流分布を示したものである。
導線に直流電流を通電すれば、通電電流の外側に外周磁束が発生(アンペールの法則による)し、その外周磁界が通電電流を中央側に移動する力(ローレンツ力による)を発するため、導体の中央部に多くの電流が流れる。
また、交流電流を通電すれば、通電電流に上記外周磁界が発生する渦電流による力が加わり、通電電流を外側に押しやって、外周部の電流が増加する。通電電流が外周部に移動して、中央部の電流が減少することで、通電電流の内側には上記外周磁束とは極性の反転した内周磁束が発生する。そして、その内周磁束が通電電流を外側へ移動する力(ローレンツ力)を発生して、通電電流が導体の外周部に集中する。
―― 表皮効果が顕れる。
なお、交流の通電電流が導線の外周部に集中するときに、内周磁束に対して発生する渦電流は外周部の外側、すなわち、導線の外側を経由することができないので、内周磁束に対応する充分な渦電流が発生しない。
したがって、渦電流が電流に対して発生する力は、外側に押す力の方が、内側に押す力より強い。周波数が高周波になればより顕著になって、通電電流はさらに外周部に集中する。そして、さらに高周波になれば、やがて流れ難くなる。
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図5は、電気抵抗の大きな円柱状の導体(棒状の抵抗)の中を流れる電流と磁界の様子と、電流分布を示す。
抵抗によって渦電流の効果が抑制されれば、高周波の交流電流を通電しても、直流電流のように、導体の中央部に多くの電流が流れる。
―― 中骨作用が顕れる。
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図6は、円筒状(パイプ状、チューブ状)の導体中を流れる電流と磁界の様子と、電流分布を示す。
直流電流が供給されれば、円筒状導体の内壁側に多くの電流が流れ、交流電流が供給されれば円筒状導体の外壁側に多くの電流が流れる。
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図7は、中央の導体を円筒(パイプ、チューブ)状の外側導体で覆った往復一対の同軸ケーブルの中を流れる電流と磁界の様子と電流分布を示す。
同軸ケーブルの中には中央の導体から発する磁界と、外側の導体から発する磁界の合成磁界が形成され、直流電流が供給されれば、外側導体の外壁側に多くの電流が流れ、交流電流が供給されれば外側導体の内壁側に多くの電流が流れる。
―― 近接効果が顕れる。
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図8は、円形導波管の中を流れる電流と磁界の様子と、電流分布を示す。
円形導波管は往復一対の同軸ケーブルの中央導体を省略した構成であり、その中には同軸ケーブルのような磁界が存在するため、高周波の交流電流を供給すれば導体の内壁側に多くの電流が流れる。
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図9は、板状の導体の中を流れる電流と磁界の様子と、電流分布を示す。
図1の円柱状の導体のように、通電電流が発する外周磁束が、自身を中央に移動する力と、自身を外側に移動する渦電流を発生し、直流電流が供給されれば、板状導体の中央部に多くの電流が流れ、交流電流が供給されれば板状導体の中央から離れた部位に多くの電流が流れる。
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図10は、矩形導波管の要部のような、対向して配置した往復一対の板状導線の中を流れる電流と磁界の様子と、電流分布を示す。
導線の中には往路と復路の板状導線が発する磁界の合成磁界が形成され、
当合成磁界に対応して、それぞれの板状導線に流れる電流は、直流電流通電時は中央から離れた部位に多くの電流が流れ、
交流電流通電時は中央部に多くの電流が流れる。
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図11は、ダブルリッジ形矩形導波管の要部のような、上記図10の対向配置した往復一対の板状導線の対向側中央に襞(リッジ)を設けた導線の中を流れる電流と磁界の様子と、電流分布を示す。
交流電流を通じたときには、板状導線の中央に流れる電流が絞られ、通電電流が対向するリッジの先端部に集中する。
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なお、上記のように渦電流によって電流の流れを妨げる効果は、通電電流の周波数が上昇すればより高くなり、
通電電流がさらに高周波になれば、損失の少ない導波管や、リッツ線のように複数の細い線材を束ねた導線を使用しても、電流が流れなくなる。
<「電流の様子」・「参考電磁波は移動する磁界」>