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1 電磁波に電界はない − English − <参考 王様は裸>
2 電波に係る不明瞭なこと − English −
5 電磁波は移動する磁界 − English −
11 弦の振動 − English −
2025/04/20
< 1 振り子の振動 >
おもりを線材およびばねによって吊った振り子が振動する様子を図1に示す。
図1の左端はおもりを線材によって吊った基本的な振り子で、おもりが左右方向(水平方向)に振られる。その線材をばねにすると上下方向(垂直方向)にも振動することができ、ばねと振り子の振動周期と位相がそろえば、図示するような軌跡を描いて振動する(図示する直線状の軌跡や、楕円状の軌跡は代表的な例である)。

基本的な振り子の振動においては、水平方向に振れるおもりの速度とその重量による運動エネルギと、振り上げられたおもりの高さとその重量による位置エネルギが交互に変換されることで、エネルギを温存し振り子として振動が繰り返される。なお、運動エネルギが増減するおもりの速度変化の位相と、位置エネルギが増減するおもりの垂直方向へ移動する位相は、振り子の振動周期の1/4周期ずれている。
振り子の線材をばねにすると、振り子による垂直方向のおもりの振動にばねの伸び縮みによる垂直方向のおもりの振動が加わり、図1に示すような振動が形成される。このとき、移動するおもりの速度とその重量による運動エネルギと、上下するおもり高さとその重量による位置エネルギとばねの伸び縮みによる弾性エネルギの合成エネルギが交互に変換されることで、エネルギを温存して振動が繰り返される。なお、運動エネルギが増減するおもりの速度が変化する位相と弾性エネルギが増減するばねが伸び縮みする位相は振動周期の1/4周期ずれている。
図1に示したばねとおもりを複数個並べて、それぞれのおもりをばねVによって吊り、隣接するおもりをばねHで繋げば、図2と図3に示すように振動を伝搬することができる。図2には複数のばねとおもりが形成する進行波の様子を示す。

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上記のように、当波は進行方向(水平方向)に直交する(垂直方向の)振動を有する横波ではあるが、中段の「水平方向の速度と弾性量」が示すように、水平方向のおもりの移動速度が変化する位相とばねが伸び縮みする位相が同相であり、進行波の縦波(疎密波)を形成している。そして、進行方向へは移動するおもりの速度と重量による運動エネルギとばねが蓄える弾性エネルギの双方によってエネルギを伝搬している。なお、下段の「垂直方向の速度と弾性量」が示すように、垂直方向に移動するおもりの速度が変化する位相とばねが伸び縮みする位相は、振動周期の1/4周期ずれており、定在波を形成している。
図3には複数のばねとおもりが形成する定在波の様子を示す。


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上記のように、当波は進行方向(水平方向)に直交する(垂直方向の)振動を有する横波で、水平方向のおもりの移動速度が変化する位相とばねが伸び縮みする位相(中段の「水平方向の速度と弾性量」に示す)、および、垂直方向のおもりの移動速度が変化する位相とばねが伸び縮みする位相(下段の「垂直方向の速度と弾性量」に示す)は、ともに振動周期の1/4周期ずれており、定在波を形成している。そして、直交方向と水平方向の双方において、おもりの運動エネルギから ばねの弾性エネルギ、あるいは、弾性エネルギから 運動エネルギへと交互にエネルギを?%AH9換すること、つまり、一方のエネルギを他方のエネルギに変換することを交互に繰り返すことで、エネルギをその場に温存している。なお、水平方向には縦波(疎密波)を形成している。
ちなみに、図4に示すように媒体のモデルを複数のおもりとそれぞれを繋ぐばねによって構成し、媒体の質量をおもりの重量、媒体の弾性をばねの硬さに対応させ、おもりの重量とばねの硬さを適宜選定することで、気体、液体および固体の中を伝搬する振動あるいは波の様相を推測することができる。なお、振動するおもりの軌跡は、気体、液体および固体等の媒体の物性、および、振動の大きさに適した様相(上記には例として直線や円形を含む楕円を示す)になる。
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参考までに、上記モデルのおもりとばねを、導体中の自由電子および電子と電子の間に働く近接作用に対応させれば、前述の「電流の様子」に記載した電子の縦波(疎密波)が形成する電流の説明にも適用できる。なお、波は上記のようにおもりの移動速度とその重量による運動エネルギと、弾性エネルギや位置エネルギおよび密度エネルギ等によって形成されるもので、エネルギは運動エネルギと他方のエネルギの両者によって伝搬される。あるいは、運動エネルギと他方のエネルギを交互に変換することでエネルギをその場に温存するものであり、いずれか一方のエネルギだけでは形成されない。
< 2 弦の振動 >
図5には、アコースティックな弦楽器の弦と周辺機材の要部の概要を示す。
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図6は、弦と周辺機材の要部の断面を示す。
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図7は、弦を上記のようにおもりとばねによって示す。
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図8に、弦楽器の各部が振動する様子を示す。

上記のように、アコースティックな弦楽器の共鳴板は、弦の振動(往復運動)に対して2倍の周期の振動(高調波)を含んでおり、弦の基本波と合わせてそれぞれの弦楽器の特有の音色を発生している。
なお、パワーアシストされるエレキギターは、弦とピックアップおよび周辺機材の要部を示す図9にように、アコースティックな弦楽器が備える共鳴板を備えない。しかるに、エレキギターも、アコースティックな弦楽器と同じような2倍の高調波を発し、同音階の音色を発生するので、その2倍の高調波が発生する理由について下記する
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図10には、ボディ(共鳴板)に対して垂直方向に振動する(ピックアップ内の磁石の軸方向に接近/離反する)弦とピックアップの様子を示す。
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上記のように、エレキギターのピックアップにはコイルの側面から漏洩する磁力線が存在する。鉄製の弦がボディ(共鳴板)に対して垂直方向に振動するときに、弦が磁石に接近すれば、コイル開口部の磁気抵抗が低下することで磁力線が集中して、前記側面から漏洩していた磁力線がコイルの開口部に向かい、コイルを鎖交するようになる。逆に、弦が磁石から離れれば、コイル開口部の磁気抵抗が増加して磁力線が元の経路に戻り、コイルの側面から漏洩する磁力線が増加する。つまり、弦が接近するときにコイルを鎖交する磁力線が増加し、コイルの出力電流が増し、弦が離れるときにコイルを鎖交する磁力線が減少し、コイルの出力電流が減る。したがって、弦の1往復に対してピックアップの出力電流は1回増減するので、弦の基本波に対応する電流が出力される。
図11には、ボディ(共鳴板)に対して並行方向に振動する(ピックアップ内の磁石の軸に対して横方向から接近/離反する)弦とピックアップの様子を示す。
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上記のように、エレキギターのピックアップにおいては、鉄製の弦がボディ(共鳴板)に対して並行方向に振動するときに、弦が磁石の軸に接近すればコイルの開口部の磁気抵抗が低下することで磁力線が集中して、前記の側面から漏洩していた磁力線がコイルの開口部に向かい、コイルを鎖交するようになる。逆に、弦が磁石の軸から離れれば、コイル開口部の磁気抵抗が増加し、磁力線が元の経路に戻り、コイルの側面から漏洩する磁力線が増加する。つまり、弦が磁石の軸に接近するとコイルを鎖交する磁力線が増加し、コイルの出力電流が増し、弦が離れるとコイルを鎖交する磁力線が減少し、コイルの出力電流が減る。ただし、弦が磁石の軸に対して図示の上方から接近しても、下方から接近してもコイルは同量で同極性の電流を出力する。したがって、弦の1往復に対してピックアップの出力電流は2回増減するので、弦の基本波に対して2倍の高調波に対応する電流が出力される。
以上のようにパワーアシストされるエレキギターのピックアップは、リボンマイクのように弦の振動を忠実に電流に変換するものではなく、独特な特性を有することによって、アコースティックな弦楽器と同音階の音色を発することができる。また、弾き方やピックアップの特性によって、エレキギター特有の音色が出力される。
< 「縦波と横波」・