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1 電磁波に電界はない − English − <参考 王様は裸>
2 電波に係る不明瞭なこと − English −
5 電磁波は移動する磁界 − English −
8 偏波 − English −
2025/09/20
< 1 回転した磁界 >
図1は、「電磁波は移動する磁界」に等価磁石で示した垂直方向のダイポールアンテナが発する磁界が、アンテナから離れ、概ね均一になったあたりの様子を示す。
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図2は、上記垂直方向のダイポールアンテナに水平方向のダイポールアンテナを追加したクロスダイポールアンテナにおいて、水平方向のダイポールアンテナに 1/4波長遅延した信号を供給する構成を示す。
クロスダイポールアンテナの構成は、2個のコイルを直交配置して回転磁界を生成する2相の交流モータの固定子(ステータ)と同様の構成である。ちなみに図示のように、それぞれのダイポールアンテナの先端に破線を加筆してコイルのようにすれば解りやすい。したがって、クロスダイポールアンテナを構成する2対のダイポールアンテナの近傍には、交流モータが生成するような回転磁界が生成される。そして、前述のように、順次供給される後続の交流信号によって、生成された磁界をアンテナから引き離し、遠方に押しやることで、回転しながら、2対のダイポールアンテナが形成する面に対して垂直方向に光速で移動する磁界が生成される。
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図3は、クロスダイポールアンテナが発する回転する磁界を示した図であり、上段が移動方向に向かって左回転で出力を遅延した左回転の磁界で、下段が移動方向に向かって右回転で出力を遅延した右回転の磁界である。


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図4に、クロスダイポールアンテナが周囲に発する磁界を示す。
図4Aにおいて、Z軸方向に伝搬する磁界は、上記のようにZ軸を軸にして回転する。そして、X軸およびY軸方向に伝搬する磁界は、ダイポールアンテナが発する磁界のように、それぞれ放射状に広がる。ただし、X軸とY軸方向に広がる磁界の方向は、アンテナを中心軸にして放射状に広がるダイポールアンテナが発する磁界に対しては直交する方向となる。
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図4Bの構成を回転させ図4CのようにZ軸を垂直方向に向ければ、ターンスタイル アンテナあるいは スーパー ターンスタイル アンテナになる。当アンテナは、XY平面方向に集中しながら、Z軸を中心に一様に広がる指向性のない電波を送信する FMや TV放送用の アンテナに使用される。
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また、回転する磁界をZ軸方向に集中するためには、例えば、図5Aのようにリッジを4枚備えたクワッドリッジ式ホーンアンテナを使用する。そして、一方のダブルリッジに1/4波長遅延した信号を供給して、回転する磁界を発する。図5Bに、図5Aのクワッドリッジ式ホーンアンテナが発する回転する磁界を示す。
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なお、動力用交流モータにおいては、各コイルに流れる電流が過大にならないように電流を分散するために、複数のコイルと複相の電源を使用するように、大きな磁界を発するアンテナにおいてはリッジの数をさらに増すことも考えられる。
ちなみに、前述の「電波の受信」には、移動する磁界が導電性物体を押す力を有することを示したが、上記の回転しながら移動する磁界には、導電性物体を押す力に加えて、交流モータのように導電性物体を回転する力を有す。
< 2 捻じれた磁界 >
図6に、前述した円錐ホーンアンテナが発するリング状の磁界を示す。
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図7に、ジャイロトロンの中に備えられた円錐ホーンアンテナの先端を螺旋状に切り開いたモード変換器の概略構成、および、円形導波管から入力されたリング状の磁界が、この変換器によってコイル状に捻じれた磁界に変換される様子を示す。
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上記のように、円形導波管から入力されたリング状の磁界が、螺旋状に切り開いたモード変換器を通過するとき、変換器の壁側の磁界が壁に沿って進行するのに対し、変換器の切り開かれた部位から放出された磁界は、導波管(変換器)の管軸から離れる方向に拡大する。
リング状の磁界がモード変換器の中を後続の磁界に押されて、進行しながら拡大するとき、各リング状の磁界の磁気経路は、偏芯して 片側に偏って、伸長する。やがて、並行して連なる各リングの磁気経路の総延長より、各リングを切開して、それぞれに隣接する磁気経路を直列に繋いでコイル状にした磁気経路の方が短くなる。以降は、安定側となる短い磁気経路を継続するために、順次、リング状の磁界が切り離され、直列に繋がってコイル状に捻じれた磁界が形成される。そして、コイル状に捻じれた磁界が導波管(変換器)の管軸方向から離れた方向に伸長する。すなわち、モード変換器からコイル状に捻じれた磁界が出力される。
なお、一般的なジャイロトロンの資料においては、ジャイロトロンの空洞共振器の外筒が、図7の円形導波管に相当する。また、モード変換器から出力されるコイル状に捻じれた磁界は、高周波ビームと称され、光(ガウシアンビーム)のように鋭い指向性を有す。
ちなみに、上記コイル状に捻じれた磁界は、図8のような円形導波管の途中に設けた円筒状モード変換器によっても形成できる。
当円筒状モード変換器は、円形導波管に接続する円筒の壁の一部を軸方向に切り裂いたもので、円筒状モード変換器の電流が通過する部位の長さ(経路長)が円周方向に順次長くなるように壁を引き延ばし、偏った形に膨らませ、電流通過経路の最短部と最長部の経路長の差を 通過交流信号の1波長に対応させている。
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上記円筒状モード変換器においては、左側の円形導波管から入力したリング状の磁界を生成する電流を、コイル状に捻じれた磁界を生成する電流に変換して、右側の円形導波管に出力する。
また、捻る方向が逆転した反転した磁界を生成するときは、経路長を伸長する回転方向を逆転した円筒状モード変換器を使用する。ただ、結果的にはこの捻る方向を逆転した円筒状モード変換器は、元の円筒状モード変換器の入力側と出力側を入れ替えたもの同じである。
なお、コイル状に捻じれた磁界を受信してリング状の磁界に戻すためには、捻る方向を逆転した円筒状モード変換器を使用するが、上記するように、同じものを流用することができる。
ちなみに、光学の識者は、上記図6のリング状の磁界が形成す光を通常光、そして、図7のコイル状に捻じれた磁界が形成する光を光渦としているようである。