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1 電磁波に電界はない − English − <参考 王様は裸>
2 電波に係る不明瞭なこと − English −
5 電磁波は移動する磁界 − English −
7 電波の受信 − English −
2025/09/20
< 1 磁界を受信するダイポールアンテナ >
図1に示すように、飛来する(移動する)交番磁界(電波)が、棒状(線状)の導体である ロッドアンテナあるいは ダイポールアンテナを通過すれば、アンテナ内に起電力が生じて電流が流れ、移動する磁界に対応する電流が出力部から出力される。
なお、当図においては、橙色は画面を表から裏へと貫く方向の磁界を示し、青色は画面を裏から表へと貫く方向の磁界を示す。以下においても同配色で磁界の方向を示す。

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図1Cは、飛来する(移動する)交番磁界がダイポールアンテナを通過するときに、アンテナ内の電子を揺動して、電流が発生する様子を「電流の様子」に記載した振動模擬円を使用して示す。
アンテナ内の各電子には、近接作用によって隣接する電子の振動が伝わり(電流が流れる)ながら、飛来する磁界が発するローレンツ力によって、同じタイミングで、同じ大きさの力による揺動(磁界が発生する電流)が加えられる。図中の破線で示す振動模擬円上の模擬電子によって振動する電子の位相(通電電流の位相)を示し、それぞれの電子の振動が出力端に向かって順次大きくなる様子、すなわち電流が増加する様子を、実線の振動模擬円の大きさを大きくすることで表している。
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図1Dは、図1Cのアンテナ内(棒状の導体内)の電流の様子を粗く示した表で、通過する磁界(受信する電波)を 1/16周期ごとに変化させながら、磁界の 1/32波長の長さに区切った導体各部に流れる電流を算出して、それぞれの部位に発生した電流が順送りに伝わる様子を示した。
なお、通過する磁界の大きさと発生する電流の大きさには相関があり、発生する電流は通過する磁界に対して相応な値になるが、当図においては、便宜的に発生する電流の大きさを示す数値を、磁界の大きさを示す数値と同じにしている。もちろん、導体の通電区間を細分化すること、磁界の周期を細分化すること、磁界に対する相応な電流を使用することにより現実的な様相(導体各部に流れる電流は相応の正弦波状になる)を示すこともできるが、この程度の粗さでもアンテナ内に流れる電流の挙動を説明することができる。
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図1Eは、図1Dを補足する図で、各部に流れる電流は、ひとつ手前の部位に流れる電流に、その時の磁界によって発生した電流を加算した電流であることを示したものである。例えば、t6のタイミングの 7/32波長の導体部位に流れる電流 4.64は、t5のタイミングの 3/16波長の導体部位に流れる電流 3.93に、t6のタイミングで発生した 0.71を加えた値である。そして、t−1から t6のそれぞれのタイミングで磁界が発生した電流の総和である。
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上図に示したように、移動する磁界(交番磁界)により揺動されて発生した電流は、その時々の磁界が発生する電流を加算しながら、光の早さで、アンテナの中を流れる。そして、電流は、導体の長さが磁界の波長の 1/4のところで最大(例えば ±5.02)になり、当 1/4を越えたところでは減少することが示される。
なお、導体を伝わる電流の速度は、空間を伝わる磁界の速度に対して遅いため、現実的に電流が最大になるのは、磁界の波長の 1/4より短いところになる。この電流の速度と磁界の速度の比率はアンテナの短縮率の要素である。
ちなみに、上図から、導体の長さが磁界の波長の 1/2になると電流が流れないことも推測できるが、実際にはアンテナを形成する導体には電気的な損失があり、途中で減衰した先端側から伝わる電流に、磁界によって新たに発生した電流が加算されるために 1/2波長の長さの導体にも相応の電流が流れる。
上記のような受信する磁界の波長の 1/4の導体長は、定在波を形成する長さに似てはいるが、アンテナ内の電子の様相は、「電流の様子」に示した進行波の様相であり、定在波とは異なる。つまり、アンテナの長さは、受信する電波によって発生する電流を共振させるために設定された長さではない。
また、上記のように、移動する磁界(交番磁界)によって電流が出力されるので、棒状のアンテナが電波を受信して電流を出力しても、電波に電界があることを証明することはできない。
< 2 磁界を受信するループアンテナ >
導体で構成されたループアンテナを、飛来する(移動する)交番磁界(電波)が横切れば、アンテナ内に起電力が生じて電流が流れ、移動する磁界に対応する電流を出力部から出力することができる。
図2のように、直径が受信する交番磁界の約1/2波長のループアンテナにおいては、出力端側の半円が上記ダイポールアンテナのように働き、電流を出力する。
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なお、上記直径が1/2波長のループアンテナにおいては、出力端側半円と対向する側の半円もダイポールアンテナのように電流を生成するが、出力端側の半円との距離もまた約1/2波長離れているために、この対向する側の半円は、受信する交番磁界に対する導波器のように働く。したがって、1/2波長のループアンテナは、一本の導波器を備えた八木・宇田アンテナのような特性を有する。
図3のように、直径が受信する交番磁界の1/2波長より小さいループアンテナにおいては、ループの各部に同じ位相の磁界を受けるため、このアンテナは交番磁界が貫通するコイルのように働く。つまり、直径が交番磁界の1/2波長より小さいループアンテナにおいては、コイルのように 電磁誘導動作や 磁気共鳴動作によって、貫通する磁界の変化に抗う電流が出力される。
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なお、図3のループあるいはコイルのように受信する交番磁界の波長に対して開口部が小さいときは、貫通する磁界が少なく 大きな出力が得られないので、開口面積を可能な範囲で大きくした スパイダーコイルやバスケットコイルのように、導体を複数回 巻回して受信専用にすることが多い。また、バーアンテナのように、磁界を集めるコアを挿入することも多い。
図4のように、直径が受信する交番磁界の1/2波長より大きなループアンテナにおいても、出力端側の半円がダイポールアンテナのように働き、電流を出力する。しかしながら、出力端側の半円以外で 磁界を受信して発生する電流は、上記約1/2波長のループアンテナのように共調しないため、出力電流の生成を阻害して、充分な出力電流を出力できない。
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ちなみに、ヘルツ博士が電波の存在を証明したときに使用したリング状の導体の大きさは、発信された電波の波長に対して小さなものであり、ループアンテナと考えるより、受信コイルと考えるべきである。したがって、上記と同じように、リング状の導体で電波が受信できても、電波が電界によって形成されるとは言えない。
< 3 磁界による影響 >
図5に示すように、移動する磁界(交番磁界)の中に金属板(導体)を配置すれば、金属板の中には磁界の変化を阻止するように渦電流が発生し、その渦電流と磁界の間にローレンツ力が発生して、磁界は金属板を磁界の移動方向に押す。
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上記の動作は、回転子(ローター)が回転する交流モータ あるいは直線的に動くリニアモータの動作と同様な動作である。
図6に示すように、移動する磁界(交番磁界)の中に分極した部位を有する物体を配置すれば、正電荷あるいは負電荷に分極した部分は 当移動する磁界によるローレンツ力によって、それぞれの方向に揺動される。
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参考までに、一般的な電子レンジにおいては、2.45GHzの電波(移動する磁界)によって、水の分子を揺動し、水を加熱している。
上記のように電波や光を含む電磁波(移動する磁界)が、物体に対して力を及ぼすことから、光速で移動する光や電波を含む電磁波(移動する磁界)は、質量がなくても運動エネルギを有している。そして、電波や光を含む電磁波(移動する磁界)において質量に代替するものは、磁界の強度である。