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1 電磁波に電界はない − English − <参考 王様は裸>
2 電波に係る不明瞭なこと − English −
5 電磁波は移動する磁界 − English −
2025/05/20
< 1 進行波型の交流を形成する電子の様子 >
交流電流は、導線(導体)の中で振動する電子(自由電子)が形成する疎密波(縦波)であって、個々の電子の振動(電子の状態)が近接作用によって隣接する電子へ光速で伝搬するものである。
電圧は、単位空間中に存在する電子の相対的な量、すなわち、電子の密度に対応する指標である。
つまり、振動による接近あるいは離反によって変化する電子の密度が 電位に対応し、電子の密度が高いところ(密なところ)が低電位で、密度が低いところ(疎なところ)が高電位となる。
電流は、単位時間に移動する電荷の総量、すなわち、単位時間に導体中を通過する電子の数量と 電子が有する電荷の積に対応する指標である。
したがって、移動する電子の数が変わらない導線のような導体中を流れる電流の相対的な大きさは、移動 または 振動する電子の速度に対応する。
図1は、進行波型の交流電流が流れる導線の中で振動する電子の様子を 模擬的に示したものである。
当図は、伝搬方向に直交する径を 上記の電流に対応する個々の電子の移動速度に対応させ、伝搬方向(振動方向)の径を 電子の振動振幅に対応させた 振動/速度模擬円を設けている。
当円周上に 振動する電子の1往復に対応して1回転する模擬電子を配置することによって、 その場に留まって直線的に往復振動している電子(自由電子)によって形成される縦波(疎密波)の状態を、直感的に把握しやすく見慣れた正弦波の横波のようにして表している。
図中の赤い実線は、電子の移動速度、すなわち、電流を示す。また、青い破線は、振動/速度模擬円と中心を共用する電子の密度を表す振動/密度模擬円を想定して、電子の密度分布、すなわち、導線各部の電位を示す。
( 振動模擬円と模擬電子については、下記に補足する )
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図では、t0、t1、t2、t3と時を追って 電子を振動模擬円の円周上を移動(回転)させて、導体中の自由電子の縦波(疎密波)の進行と、横波のように表した電流と電位を示しており、電子の移動速度が速いところ、すなわち 電流が大きいところの周囲には、相応の磁界が発生し、電流と共に進行している。
また、赤い実線で示す電流と、青い破線で示す電位 (電圧)の位相がそろっている。
なお、図において、橙色は画面を表から裏へと貫く方向の磁界を示し、青色は画面の裏から表へと貫く方向の磁界を示す。以下においても同配色で磁界の方向を示す。
また、抵抗の小さな導体中を電流が伝搬するときには、途中で電子の速度が減衰しないので、伝搬の上流から下流に至る個々の振動模擬円の形状を 同一にしている。
ちなみに、正電流が流れているとき、模擬電子を振動模擬円の上側に配置し、負電流が流れているとき、模擬電子を振動模擬円の下側に配置している。そして、模擬電子を左回転に回転させることで電流を自然な横波にして描いている。
――― 振動模擬円と模擬電子の補足 ―――
例えば、断面が 1〔mm2〕 の銅線に 1〔A〕の 直流電流が流れるとき、自由電子の移動速度(平均速度)は、0.07〔mm/sec〕である。
同じ条件の 1kHzの交流電流においては、往復振動する電子の片道の移動距離は
0.07/1000〔mm〕の 1/2で、
この直径は、1kHzの交流電流の 1波長の 300000〔m〕に対して 極めて小さい。
一方、電子の移動速度の最大値は、交流電流の最大値が平均値の 「円周率/2 倍」であるから、0.07×円周率/2(=0.11)〔mm/sec〕である。
したがって、電子の移動速度を表す振動模擬円の伝搬方向に直交する方向の最大径は、0.11〔mm/sec〕に対応するものになる。
(実効値が 1〔A〕の交流電流のピーク値である 1.41〔A〕が、この0.11〔mm/sec〕に対応する)
以上のように現実の電子は振動振幅が小さく、隣接する電子が順次移動する様子や、密度が変化する様子が解りにくいので、図2に示すように、拡大した振動模擬円の円周上に、実際の電子の位置に対応した模擬電子を配置することで、振動振幅を拡大して、電子の状態を解りやすくしている。
また、実際の大きさでは解りにくい赤い破線で示した電流も、伝搬方向に直交する径の拡大によって、振幅の大きな赤い実線で示している。
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なお、電源を接続した直後の電子の様子については、下記「導線内を伝搬する電子の様子」に記載する。
< 2 定在波型の交流電流を形成する電子の様子 >
定在波を形成する交流電流は、振動する電子による疎と密の位置が移動しない縦波(疎密波)である。そして、電子の移動量が小さく 密度変化が大きい節と、電子の移動量が大きく 密度変化が小さい腹がある。
そして、電位が高いタイミング(電子密度が最高になるタイミング あるいは 最低になるタイミング)と、電流が大きいタイミング(電子が正方向 あるいは 負方向に最高速度で移動するタイミング)が 交互に現れる。
図3に、上記図1と同じように、電子の振動の大きさを示す振動模擬円を用いて、定在波を形成する交流電流が流れる導線(導体)の中の電子の様子を模擬的に示す。
なお、定在波においては それぞれの位置の電子の振動振幅が異なるため、それぞれの位置に、当位置に対応した大きさが異なる振動模擬円を配置している。
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図に示すように、定在波は伝搬することなく停滞して、電圧の高いタイミング(t0とt2)と、電流が大きなタイミング(t1とt3)を交互に繰り返す。
定在波の中では、位置(圧力)エネルギのような電圧と、運動(速度)エネルギのような電流、あるいは、電圧(電子の密度エネルギ)と、電流(電子の運動エネルギ)のような対となる形態に、交互に変化する。結果的に、電気エネルギは導線内に留まって、出ることはなく、電力は導線の中では減衰しない。
< 3 導線内を伝搬する電子の様子 >
図4に、一対の導線に交流電源を接続した直後に流れる電流と電位および電子の様子を示す。
当図は、上記のように振動模擬円を使用して、交流電流の電子を模擬的に示したもので、スイッチを接続する前のt0から、スイッチを接続した後の t1、t2、t3と、時を追って伝搬する電子および電流の様子を示したものである。
なお、一対の導線を伝搬する電流はそれぞれ対をなす縦波(疎密波)であり、電流と電位が対称的な 平衡信号である。
ちなみに、電源に接続するスイッチは、現実的には正側または負側のいずれか一方に配置すれば充分であるが、それぞれの導線内の電子の初期状態と、接続直後の挙動が解りやすいように、スイッチを両側に配置して、同時に操作する構成にしている。
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図5は、上記図4の導線の先に接続した電気抵抗を有した抵抗線の中で、通電した交流電流が減衰し、消滅する様子を示す。電流は抵抗線の中で熱エネルギに変換されて減衰している。当図においては、電子の振動が抵抗線の中で順次減衰する様子を振動模擬円の直径を順次小径にすることで表し、その先に振動模擬円のない電子を連ねている。変換された熱エネルギは、抵抗線を加熱して赤外線を発し、さらに高温に赤熱することで可視光を発するが、この光もまた電磁波である。


図6に、一対の導線に直流電源を接続した直後に流れる電流と電位および電子の様子を示す。
上記と同様にスイッチを接続する前のt0から、スイッチを接続した後の t1、t2、t3と、時を追って伝搬する電子および電流の様子を示したものである。
当図に示すように、個々の電子(自由電子)の移動速度は遅いが、正電位側の導線では 疎の部分が光速で伝搬し、負電位側の導線では 密の部分が光速で伝搬する。
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なお、交流においては、電子が、往復振動しながらも 一か所に留まる様子、あるいは、直流においては、電子が、伝搬方向 および 電源の方向に ゆっくり移動している様子を 観やすくするために、図4と図6の導線中のひとつの電子に赤色円あるいは青色円のマーキングを付加している。
< 4 電界による横波と変位電流について >
上記のように、導体を流れる電流や そこに発生する電圧(電位)は、縦波(疎密波)を形成する電子の移動速度や 密度を表す指標であり、横波としての実体はない。
ちなみに、電流や電圧の変化を観測するときに使用する例えばオシロスコープのような波形表示機器は、電子による縦波(疎密波)の状態を、認識しやすい横波状に変換して表示するものである。
電子の挙動を基にすれば、上記の電源を接続した直後の導線内の様子が示すように、進行する電流の先端部より先に変位電流は流れない。また、交流の通電において、通電電流が電気抵抗によって減衰し導線の中で消滅すれば、そこから先にも変位電流は流れない。なお、送信アンテナが電波を発するときには、供給された電流がアンテナの各部で減衰し、アンテナの中で消滅するので変位電流は流出しないことを「電波の生成」に後述する。また、受信アンテナが電波を受けたときには、アンテナの各部に誘導された個々の電流が合計されて出力されるので変位電流の流入は不要であることを「電波の受信」に後述する。
以上のように、電圧や電位さらに電界には横波としての実体はなく、電流を通電するときに、必ずしも電気回路を閉回路にする必要はなく、流れている電流の先端部から先に変位電流を想定する必要はないので、マクスウェル博士の方程式は見直す必要がある。
<「電波に係る不明瞭なこと」・「電気と磁気の力」>